四万十川のまんなかにある地元・四万十川中流域のおすすめスポットを紹介します。
中流域は沈下橋も多く、JR予土線や国道381号線と四万十川が平行に流れている箇所もあり、とても見どころの多い地域です。
中流域の場所
四万十川は全長が196㎞とあり、上流域、中流域、下流域に区分されています。
中流域は四万十町弘瀬から川平までの約49kmとされ、四万十町内を流れています。
(参照:四万十町役場中流区域)
中流域が始まる目安は家地川にある四国電力の 家地川堰堤 (いえぢがわえんてい)です。
家地川堰堤までが上流域となり、堰堤から下流が中流域となります。
車で中流域を望みながら家地川から川平まで行くこともできますよ。
おすすめスポット
佐賀取水堰・家地川堰堤
佐賀取水堰(さがしゅすいせき)は昭和12年に完成した 四国電力発電用の取水堰で、家地川堰堤(いえぢがわえんてい)ともいいます。
河川法によると15m以上をダムとするので、高さ約8mのこの堰堤は堤に分類をされます。
取水堰の横に階段状の魚道があり鮎やウナギはその魚道を泳いでいきます。
発電用として取水された水は隣町を流れる伊与木川に放流され農業用水に活用されます。
台風などの大雨の時は水を止めているゲートを開けて放流し、迫力ある光景が見られます。
弘瀬沈下橋
家地川堰堤のもっとも近くにある沈下橋が向弘瀬橋(むかいひろせばし)です。
昭和38年に架けられ、地元では地域名から弘瀬沈下橋と呼ばれています。
増水時に家地川堰堤から放水があればすぐに浸かってしまう低い橋です。
上宮沈下橋
弘瀬沈下橋から下流へ国道381号を車で5分ほど西へと行くと上宮沈下橋(じょうぐうちんかばし)が見えてきます。
国道からもよく見えるため、観光で来るかたが車を停めて橋を渡っている姿を時々見かけます。
上岡沈下橋
上宮沈下橋から車で西へ5分行くと、向山橋(むかいやまばし)沈下橋が見えてきます。
昭和38年に架橋され、地元では上岡(かみおか)沈下橋と呼んでいます。
丸みを帯びた流線形は水の抵抗を少しでもやわらげるために付けられました。
ほかの沈下橋と形が違ってるので、ファンが多い橋です。
中流域の特徴
穿入蛇行
四万十川中流域の大きな特徴として穿入蛇行(せんにゅうだこう)が挙げられます。
穿入蛇行 とは、山間部をぐねぐねと蛇行する河川が深い河谷を作っている状態のことです。
環流丘陵
環流丘陵(かんりゅうきょうりょう)とは、以前の河川の流路と現在流れている河川の流路とに囲まれてできた丘陵のことをさします。
四万十川のように河川が穿入蛇行する川は、長い年月の中で何らかの理由で蛇行が切断され、川の流れがショートカットされ別のルートを通るようになる現象が起きます。
丘陵が残されるため削り残し丘陵ともいわれます。
四万十川には環流丘陵の地域が何か所か見られます。
最大の地域は四万十町昭和地域の対岸にある大井川の環流丘陵でしょう。
四万十川は場所によっては、2パーミル(2/1000)程度の小さな傾きで流れる箇所があるほど、非常に傾斜の少ない川です。
ごつごつとした岩も多く、岩と岩のあいだを天然の鮎やウナギが泳ぐ自然豊かな川であることが四万十川中流域の特徴であり魅力です。
熊野神社
名称 | 熊野神社 |
住所 | 〒786-0301 高知県高岡郡四万十町大正86−2 |
最寄り駅 | JR予土線土佐大正駅から徒歩7分 |
四万十川のそばに厳かにたたずむ熊野神社に参詣してみませんか?
四万十町大正にある熊野神社は、建久元戌年(1190年)、紀州(現・和歌山)の熊野神社から勧請(かんじょう)され建立された由緒ある神社です。
境内には樹齢八百年の熊野大杉をはじめ椰木(なぎ)の大木、近くにはムササビが飛ぶかう大きな杉の木もそびえています。
熊野神社では、JR予土線を走る観光列車の「しまんトロッコ」や新幹線型の「鉄道ホビートレイン」がゆるキャラのしんじょう君とコラボした素敵なお守りを作成し販売しています。(宮司在所時に頒布が可能です。)
由緒
建久元戌年(1190)霜月丗日上山ノ城主田那部旦増紀州熊野より勧請し古来より上山郷上分下分の惣鎮守なり。元と熊野三所権現と称す(南路志)
祭神
伊弉冉命(いざなみのみこと/伊邪那美)
「イザナ」は誘う(いざなう)の語源で「ミ」は女性を表す語と言われています。那智の主神で本地仏は千手観音です。
速玉之男命(はやたまのおのみこと)
新宮・速玉大社の主神が速玉之男命(熊野速玉大神)で別名伊弉諾尊(いざなぎ)。本地仏は薬師如来です。
事解之男命(ことさかのおのみこと)
熊野夫須美神(伊弉冉)と一緒に祭られ、表に出てこない神。事解の神名から事態収拾の神と言われています。
熊野神社の宝物
熊野神社の境内地には勧請にまつわる樹齢八百年の熊野大杉があります。その他熊野牛王宝印の摺木、法華経石(光明真言石の説もある)、諸刃造剣、木造獅子一対、椰子の大木などが町指定文化財となっています。
また勧請する際に境内地に神宮寺として長楽寺が建立されています。神社に寺があると不思議に思うかもしれませんが、明治以前の信仰のかたちは神仏習合。その名残です。長楽寺には高知県保護有形文化財の「木造如来形立像」と「木造地蔵菩薩立像」の二体が安置されています。
「熊野神社のしおり」より
JR予土線から見る四万十川
JR予土線の土佐大正駅から江川崎駅までの区間は、川と山と空がまるで絵画のように一望できて美しい四万十川の中流域を楽しめるおすすめの区間です。
とくに窓のない開放的なトロッコ列車は、四万十川の風を肌で感じる素敵な時間が過ごせます。
参照:JR四国しまんトロッコ
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