四万十川でうなぎを捕るためにおこなう伝統漁法の「コロバシ漁」を紹介します。
コロバシとは
コロバシとは、うなぎを捕るための仕掛けです。
竹や木でできた長い筒状または箱状の形をしています。
最近はプラスチック製の管で手作りする人もいます。
「コロバシ」という名前は、川に転ばすように漬けるため付いた名前だと思います。
地域によっても「うなぎ受け」といったり呼称が変わりますが、地元・四万十ではコロバシといいます。
お隣の愛媛県ではこの漁法を「地獄漁」ともいうそうです。
いったん筒の中に入ったうなぎは、もう外には出られません。
一度入ったら二度と出られないから「地獄漁」
うなぎからすればおっかないですね。
仕掛け方
仕掛け方はいたって単純です。
コロバシの中にうなぎの好むエサを入れ、夕方から翌日の朝まで川の中に漬けます。
うなぎは夜行性のため、昼間は岩の下の狭い穴の中でじっとしています。
夜になるとエサを求めて動き始めるので、そのタイミングを狙います。
簡単な仕掛けではありますが、うなぎがいそうなポイントを探して捕るには熟練した技と経験が必要です。
警戒心の強いうなぎは川になじまない新しい匂いのする仕掛けには入りません。
コロバシはしばらく川の中につけて、川と同じ匂いにするのが良いそうです。
エサ
コロバシの中に入れるエサは、川の小魚ハヤゴや、川エビなどです。
いちばん良いのはミミズですね。
畑や溝を掘ってミミズをつかまえ、コロバシの中に5、6匹入れるとよいです。
四万十川の山々には通称カンタローという大ミミズがいますが、これをエサにする人もたまにいます。
カンタローは正式名称:シーボルトミミズという体長30センチもある大ミミズです。
びっくりするくらい大きく、体の色は光るような濃い紫色をしています。
前の晩までに漬けたコロバシを翌朝見に行き、「入っているかな?」とわくわくしながら揚げるのが楽しいですよ。
コロバシを川から揚げると中の水がザーッと落ちていきます。
中で動いている気配があったらうなぎが捕れています。
うなぎの重りだけが手に伝わる瞬間が何ともいえません。
四万十川でうなぎを捕るには
コロバシ漁のほかに「はえ縄漁」という針でうなぎを捕る漁法もあります。
ただし四万十川では漁期があり、うなぎを捕るには遊漁券が必要ですのでお気をつけくださいね。