初めてうなぎを捕る人になるべく分かりやすいよう、四万十川の漁期や釣り方・仕掛けの方法・エサのことを簡単に紹介します。
まず大事な点が2つあります。
- うなぎを捕ってもよい漁期(4月1日~9月30日)があること
- 遊漁券の購入が必要であること
うなぎの漁期
四万十川でうなぎを捕ることのできる期間は、例年4月1日~9月30日の日没までです。
国内の天然うなぎ(二ホンウナギ)漁獲量は残念ながら年々減少しています。
原因は親うなぎやシラスウナギの過剰な漁獲、生息環境の悪化などがあげられていますが、日本人にとってうなぎは欠かすことのできない食べ物です。
そこでうなぎ資源を保護し管理するために、全国の鰻の産地では漁期が決めれらています。
高知県では10月から翌年3月までが禁漁期間ですので、漁期は4月1日~9月30日です。
うなぎを捕る許可「遊漁券」
四万十川ではうなぎを個人で捕るにも「遊漁券」という許可証を、地域に所在する漁協から買う必要があります。
なぜなら漁協は水産資源の保護と国民のレクリエーションを維持するために、遊漁料を徴収し漁場管理や増殖活動をおこなうことになっているからです。
四万十川全域には細かくいうと7つの漁協団体が存在しています。
7つも漁協団体があるとはびっくりですが、それだけ四万十川には魚類が多く生息しているといえます。
地元漁師はそれぞれが地元の漁業組合に加入し、 漁業権を得て漁業を営んでいます。
遊漁券が無くうなぎを捕ることは違法となりますので、川に入る時は遊漁券を必ず携帯・掲示して漁をおこないましょう。
四万十川の漁協・団体
細かくいうと四万十川には7つの漁協・団体がありますが、この7つの漁協団体は大まかにいうと3つの地域に分かれます。
- 四万十川の中流・下流域(家地川堰堤より下流の地域)
- 四万十川の上流域(家地川堰堤より上流の地域)
- 四万十川の源流に近い支流(梼原川、四万川川、北川川)
地域ごとに遊漁券は共通ですが、地域が変わればそれぞれ遊漁券を買う必要があります。
該当する地域の漁協団体で遊漁券を購入するようにしましょう。
それでは3地域・7つの漁協団体を、四万十川の中流・下流域から上流域に向かって紹介します。
1.四万十川漁業協同組合連合会(漁連)
四万十川漁業協同組合連合会(漁連)の管轄地域は、四万十川本流の中流域と下流域の全域です
具体的には四万十町にある家地川堰堤より下流側になります。
※ただし家地川堰堤の下流すぐそばは禁漁区域です。
四万十川漁業協同組合連合会は4つの組合からなりますが、遊漁券は共通になります。
①四万十川東部漁業協同組合 | 所在地: 〒786-0511 高知県高岡郡四万十町昭和672−19 電話: 0880-29-1055 | 範囲:四万十川本流の中流域(家地川堰堤より下流側)大正・十和地域 | HP:https://gyokyou-toubu-shimanto.jp/ |
②四万十川西部漁業協同組合 | 所在地:〒787-1601 高知県四万十市西土佐江川崎2410−3 電話: 0880-52-1148 | 範囲:四万十川中流域~下流域のはじめ、四万十市江川崎地域 | HP:漁期・漁業券 |
③四万十川中央漁業協同組合 | 所在地: 〒787-0037 高知県四万十市中村四万十町25 電話: 0880-34-2446 | 範囲:四万十川下流域、四万十市後川の合流~口屋内の大橋の下 | HP: |
④四万十川下流漁業協同組合 | 所在地:〒787-0152 四万十市鍋島1044-1 電話:0880-33-0253 | 範囲:四万十川下流域、四万十川本流と後川の合流点より下流域 | HP: |
2.四万十川上流淡水漁業協同組合
四万十川上流淡水漁業協同組合の管轄地域は、四万十川本流の上流域です。
具体的には四万十町家地川にある家地川堰堤(いえぢがわえんてい)より上流側になります。
⑤四万十川上流淡水漁業協同組合 | 所在地:〒786-0008 高知県高岡郡四万十町榊山町7−12 電話:0880-22-1673 | 漁場:四万十川本流の上流域(家地川堰堤より上流側) | HP:遊漁の手引き・漁場案内・遊漁料 |
3.津野山魚族保護会
津野山魚族保護会は四万十川支流の梼原川、四万川川、北川川が管轄地域になります。
具体的には四万十町の下津井(しもつい)にある津賀ダムより上流です。
⑥津野山魚族保護会・梼原支部 | 事務局 梼原町役場 産業振興課 TEL:0889-65-1250 | 範囲:津野山魚族保護会の梼原川、四万川川、北川川の梼原町分 | 遊漁者の皆さんへ(H30版) |
⑦津野山魚族保護会・津野支部 | 事務局 津野町役場西庁舎 産業建設課 TEL:0889-62-2314 | 範囲:北川流域の一部 | 遊漁者の皆さんへ(H30版) |
遊漁券の販売所と種類
具体的にどこで遊漁券を売っているのかというと、取扱所は四万十川沿いの釣具屋さんはもちろん、あちこちで売ってます。
国道沿いで目にする「遊漁券取扱店の看板」を目印にするとよいでしょう。
例えば、中流域にある四万十町大正ではガソリンスタンドでも売られています。
漁協ごとに取扱所があり、手引きには注意点も載ってますので参考にしてください。
遊漁券の種類
遊漁券の種類は魚の種類、漁法によっても違い、1日券・年券で金額が異なります。
例えば、四万十町大正地域でうなぎを捕りたいなら、四万十川東部漁業協同組合の遊漁券を買いますが、1日券は2,000円、年券は8,000円です。
個人で楽しむならには日券と年券とどちらかを選ぶとよいです。
たとえば数日間、うなぎ漁をするなら年券がお得です。
鮎の網投げ漁もおこなうなら年券は10,000円となります。
参考例:四万十川東部漁業協同組合の遊漁券
捕る方法・エサ
うなぎを捕る方法はおもに釣り針で捕るはえ縄漁と筒型の仕掛けで捕るコロバシ漁とがあります。
- はえ縄漁
- コロバシ漁
うなぎは雑食性です。においにとても敏感なのでエサが大事です。
はえ縄漁のエサはその川で獲れる(釣る)ハヤという川魚です。(地元ではハヤゴとも言います。)
ハヤを釣り、釣り針の先に付けておとりにするのです。
関連:ウナギを捕る仕掛け漁法・四万十川の延縄漁(はえなわりょう)
「コロバシ」という仕掛けは、竹や木で作った長細い箱の形をしている、うなぎを獲るための仕掛けです。夕暮れに川の中へ仕掛け、次の日の朝早く、その仕掛けを揚げに行きます。
「コロバシ」という名前は、川に転ばすようにつけることから付いた名前と思います。
コロバシに入れるエサは川の小魚ハヤゴや、川エビ、ミミズです。
ミミズを5.6匹コロバシの中に入れ、一晩、川の中に漬けるのです。
「うなぎが入っているかな~?」とわくわくしながら水の中からコロバシを揚げると水がザーッと落ちていき、うなぎの重りだけが手に伝わります。
コロバシを傾けると、筒の中からうなぎがツルツルっと滑り落ちてきます。
うなぎの習性
うなぎは夜行性のため昼間は岩の下にある狭い場所にひそんでいます。
昼間の明るい日差しや照明を嫌うといわれています。
そういえば、うなぎは小さくて可愛い目をしていますよね。
夜になるとエサを求めて岩から出てくるので、そのタイミングを狙ってはえ縄漁やコロバシ漁で捕ります。
3月から10月に活動が活発化し、産卵や寒い冬に備えて体に脂肪をためていきます。
うなぎは5年から15年ほど川の中で過ごし、産卵するために海へと出るといわれています。
産卵するために川を下ったうなぎは約2,000km離れたマリアナ海溝まで南下します。
そこで生まれた稚魚は、今度は東アジア海域を北上し、黒潮にのって日本に戻ってくるという壮大な旅をして川に戻ってきます。
日本人になじみの深いうなぎですが、その生態は謎だらけです。
ここ近年でやっとうなぎの不思議な生態が解明され始めました。
関連:うなぎの不思議な生態
四万十川でうなぎを捕るのは熟練された技と経験がモノを言います。
そのうえ素人がうなぎを捌くには至難の技です。
四万十川の美味しい天然うなぎを食べてみたい!という方へ、地元の名店を紹介します。
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